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祖父エチエンヌは、その人生の多くをブドウ畑で過ごした。祖父の思い出は山とあるが、その多くは田舎での生活にまつわるもので、ブドウの栽培法やワインの醸造法の秘訣について、祖父から直接、習ったことはない。祖父には、私にワインの仕事を教えてくれる時間はなかったし、私自身も、その頃は、そういったことを学ぶ意欲がなかった。そんな祖父と私の2つの世代の間に入って、母が、祖父のブドウ畑を手放さないでいてくれた。 水の豊かな肥沃な土地に慣れていた、農家生まれの祖母ポレットは、コルコンヌの石だらけの土地に、最初は大きなショックを受けたそうだ。 私が祖父の後を継いでワイナリーをすると言うと、祖母は恐怖に慄いたような表情を浮かべたが、それでも、内心では喜んでくれていたと思うし、実際にそうであったことを祈る。祖母は、私が初めてブドウを収穫した年に急逝したが、今の私があるのは、祖母のおかげだ、と言えよう。というのも、胸に疑念や願望を抱いたときの、私の相談相手はいつも祖母だったからで、彼女と共に、私も我慢や根気といったものを養っていったからだ。
最後に、大学に就学するためにこの地を嫌々離れるまでは、毎年収穫の手伝いをしていた、現在は医者と小説家を兼業する父や叔父たち、いつも二つ返事で手を貸してくれる私の2人の兄弟も、このワイナリーの物語を語る上で忘れてはならぬ人たちだ。 生きる喜びと力の漲った、いつでもどんなことがあっても支えあっていける、強い気綱で結ばれた家族。 |
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